・大正建築と。
2009年 05月 10日
今日は建物。
私は根っからのアパレルっこなので
建築学にはまったく詳しくないのだけれど
学生時代に
バウハウスを学んでからは哲学的に
建築のおもしろさを感じることができるようになった、
気がする。
うつくしいね、とか
きれいだね、
とかいう感覚とは
また別の、
奥行きのある見かたができるようになって
より楽しくなりました。
そんな
しろうと目線での訪問日記ですが
ご了承ください(笑)。
さて。
こちら「蟹仙洞」
うえのやま温泉駅から歩いて7分くらいのところにあります。
連休中だというのに
数人の大学生と私しか来館者はおらず、
のんびりゆっくり観て回ることができました。
後半は
私だけになって貸切状態に。
あまりにしぃんとしていて
そのうち座敷わらしでもひょっこり出てくるのでは、、、なんて
へんに想像力豊かな私は
はっ!と
背後を振り返ったりしてみて、、、(笑)。
すると
たくさんの日本人形たちが
じぃぃぃっとこちらをみつめているわけですが、。
どきどき、、、。
この蟹仙洞は
訪れるまではじめ、
お金持ちのあつめた自慢の見せびらかしたいコレクション
なのかと思っていました。
でもすこし?イメージが変わりました。
それは建物。
大いに雰囲気がいいのです。
地元の製糸工場を経営していた方の
コレクションを並べている建物は大正時代の邸宅や
日本庭園、ギャラリーにつかわれている蔵。
(コレクション自体よりもむしろ建物のほうが魅力的?)
とてもすてきなのでした。
手ふきガラスのガラスから
日本庭園を眺めると
なんだかタイムスリップした世界観。
やわらかに屈折してみえる
その奥行き具合が
これまたいいのでした。
椅子を借りてきて
ここからしばらく外を眺めていたい、、。
外に待たしている夫のことが
気にかかり
むやみに長居ができなかったのですが
それでもこの風景の前に
ぼーっと
しばらくたたずんでしまいました。
カラフルな
フィルムケース?がかわいい。
こういったかすれた色合いも勉強になります。
ころんとした形もいい。
しかし昔は
こんなに小さい
レントゲンフィルムだったのかしらん、。
どこに続いているかわからない階段。
小人のように身をかがめて
上がっていかないといけないような
細くて小さい階段。
こっそり上ってみようかしら、、、
あの天井にある扉のノブをつかんでみたい、、。
しばしこの階段を
下からそんなことを考えながら
眺めていました。
小さな階段の向かいにあったちいさな茶室。
小ぶりの茶湯釜や
大きなお琴、
そして
この掛け軸が
床の間にあつらえてありました。
かえるの掛け軸。
墨のみでささっと描かれた
季節先取りの水面に浮かぶ蛙。
かえる
カエル
蛙
もう来月は梅雨なのですね。
この茶室でも
すっと背筋をのばし
正座して外の庭園を眺めました。
流しの窓。
なつかしい横長に深いステンレスの流しで
手を洗わせて頂きました。
冷たくてほんのり暖かい井戸水。
その目の前には
このガラス。
竹模様かしら。
洗って塗れた手も
視界も
スっとする模様でした。
お宝の1つ。
香箱などの
中国のお宝がたくさんある部屋があるのですが
私はそのお宝よりも
部屋の雰囲気や
そこから見える景色(トップ画像)、
時計(3つ目画像)、金庫?などに惹かれました。
細工は
とても手の込んだ細工の飾り団扇だろうけれど
もし実際
扇いでみたら
すぐに腕がいたくなるだろうな。
無料ギャラリーになっている蔵で。
趣は残しつつ
きれいに修繕されています。
1階は
市内で活動している作家さんの作品をおいてあります。
以前は
骨董刀などを閲覧してあったのだそうですが
窃盗にあってしまったのだそう、。
物騒ですね。
最後に。
急すぎる角度のある階段を上っていくと
広い屋根裏のような
蔵の2階で
少し休ませてもらいました。
真ん中に低めの正方形テーブル。
白磁の素敵な花瓶と一緒に
この日
持っていた私のバッグと。
このバッグは若い頃使っていたバッグの
内張りをしなおしたもの。
この作業が
これまた解体してみると思っていた以上に
大変でした。
こういうものを扱うときは
バッグ用ミシンか工業ミシンでないといけないのね、、
ということを学びました(涙)。
このはなしは別の機会に、、。
もしかみのやま温泉、
蔵王方面へ行かれた際はぜひ。
ほっとする時間を得られることと思います。
by atelieraplus
| 2009-05-10 09:57
| ・日々のこと。